コールサイン【JR0QWW】局の導入事例

仕事が多忙で満足のいくハムライフを送れなかった【JROQWW】局のRRS-101導入事例

これまでの無線環境

仕事柄転勤が多かったものの2010年にようやくふるさとに戻り、そこを拠点とすることができました。そこで高校生時代からの念願であったタワーを建て、 リグも奮発してFTDX5000を購入、以前からあったWiRES-IIのノード(#5011)も移設し、楽しいハムライフを過ごしていました。 ところが結局、仕事は忙しく、また出張なども多く自宅に戻れるのは週に2日から3日程度という状況になってしまい、無線のアクティビティは大幅に低下してしまいました。 また所属しているクラブ(FISTS East Asia)のon air meeting等にも滅多に顔を出すことができなくなってしまいました。 十日町市の他にも新潟市中央区にもマンションはあってそこに泊まることが多いのですが、そこにはWIRES-Xのノード(#15011)があってそれにアクセスするための 無線機が少々あるのみでとてもHFや6mに出られる環境ではありませんでした。また出張することも多いのですが、そんな時にはD-STARのハンディ機を持って 行き各地からアクセスするなどしていました。 新潟市の拠点からもアクセしやすくするために職場に掛け合ってD-STARレピーター(新潟大学430)も設置するなどしましたが 私のHF、CWに対する想いは大きくなるばかりでした。

導入の経緯

そんな中で今夏(2014年夏)ハムフェアに参加してきたところ、うってつけの製品を見つけたのです。 リモートで無線機を操作できるHamstar社のRRS-101です。 Linuxベースの製品で、パソコンの様なキーボードも、画面もなく、LANケーブルを繋いで、あとはRS232Cや、音声入力、出力の類と無線機と接続するだけのようです。 何が気に入ったかというと、OSにまったく依存しないことでしょうか。 私が普段メインで使っているMacでも、あるいは職場の事務が使っているWINDOWSでも、とにかくホームページを見られさえすれば何でも良いというところです。 SafariやInternetExplorer等のHP閲覧ソフトでFlashPlayerが動きさえすれば、どこからでも見られるというのも感動しました。 これまでも似たような製品が無いか探していたのですが、WINDOWSを操作側と送信機側の両方で必要としていたり、Skypeなどを用いるのですが、 とにかく介在するソフトが多かったり、バックグラウンドで動くものが多くて、導入するのはかなり勇気がいる話しでした。 またネットワークを構築するとなると必ず出てくるのがIPアドレスなどの設定です。 かつてWiRES-IIを導入した際にも難儀してようやく稼働させられたのですが、とにかくきちんとした説明書もなかなか無い話で本当に苦労しましたことを覚えています。 ところがこのRRS-101はネットワークの設定もとても簡単にできそうです。なんでもUPnPというプロトコルのおかげで、 WiRES-IIの時に苦労した静的マスカレードとか静的IPアドレスとか、そういうことの設定をする必要が無い、というのも気に入ったところです。 結局、ハムフェアから戻るときには注文してしまっていました。

導入の実際

帰宅してから数日後RRS-101が送られてきました。 きちんとした梱包が為されており、好感が持てました。 開けてみるとRRS-101本体とあとはケーブル類が少々、それからUSBカメラ(これはハムフェア時購入者への特典)です。 ケーブルは実際の接続のためには足らないものがあるので、RS-232CストレートケーブルやAudio用のいくつかのケーブルは自分で用意する必要があります。 この辺りは使うリグによって異なってくるものでもあり、各自で用意するしかなさそうです。 また私は前述するようにCWでの運用を一番したかったものですから、そのための接続セットも必要でした。これもいくつか試してみたのですが、 結局YAESU純正のSCU-17を購入しました。ネットなどで安価なものもあるようですが、重要なことはリグのコントロールとCW等の送信データなどを 送るために二つの系統を持つインターフェースを選ばなければならない、ということです。 接続はリグによって大きく異なるところと思いますので、それぞれのリグの説明書などをよくご覧になって下さい。 一応、私のFTDX5000の場合の結線図を示します(右図) 家庭内LANにおけるIPアドレスの割り振りは前述のUPnPのおかげで全く苦労すること無く行うことができました。 この辺りはお使いのルーターなども関係してくると思いますの個々人で状況は異なると思います。プロバイダへの設定では少々苦労するところがありました。 我が家は「ぷらら」を使っていた関係でセキュリティレベルを変更する必要がありました。それに気付くまで少々時間がかかり難儀してしまいました。 今回の件で良かったことがひとつあったのですが…我が家のインターネット環境を再確認することができた、ということです。 うちのネット環境は近くに住む義兄が設定してくれていたのですが、私自身が転居してきた際にもうできあがっており、詳しく知らなかったこともあり、 プロバイダなども分からなかったのです。 しかしネットのセキュリティレベルを変更するために種々の情報をきちんと確認する必要も出てきたため今一度確認することができた次第です。

そして最も重要な信越総合通信管理局への申請は、電子申請で難なく終えることができました。 「リモート操作に関する適合資料」をPDFファイルにして送付したところ、特に疑義照会もなく一発で通過することができました。 先方からの連絡では「当局からの発送物は特にありません」とのことでしたので、免許返送用の封筒を送ることもなく、無事に終えました。 重要なことはリモート操作に関する書類が、あちら(信越総合通信監理局)のファイルの中に差し込まれていることが大事なのです!何とも便利のような…。 詳細を希望する方はメールを頂ければ幸いです。seita.iguchiアットme.comです。

リグへの接続

まずリモートで使うパソコンを立ち上げ、規定のHPに接続すると右図のような画面が出ます。 そこでメールアドレスとパスワードを入力すると今度は図3のような画面となります。 ここで例えば同じ家屋内でLANが同じならばローカルIPアドレスをクリックし、外部からの接続の場合にはグローバルIPをクリックするとSSBであれば図4のような、 そしてCWであれば図5のような画面が出てきます。いずれも左下には自宅リグの様子が写っており、各種設定や周波数などリグの様子を確認することができるので安心です。

QSOの実際(1)

最初に7MHz/SSBで初QSOを試みました。聞こえていた局をとりあえず呼んでみたのですが、相手の局からは「エコーがかかったような音だ」と言われ、 コールサインもとってはもらえていたのですが、最終的には「確認ができない、またコンディションの良いときに〜」といわれて73を送られてしまいました。送信前に、 自分でモニターするなどして調整をする必要があります。私の場合にはFT817をすぐ脇に置いて周波数を合わせて自分の音を聞いてみました。 そうするとナルホド酷い音がします。マイクゲインの調整が必要だったのです。 それから送受信のボタン操作の反応時間と、音声の遅延時間がかなり嚙み合っておらず、普通の感覚で送信し話しをすると後ろの1.7秒くらいが尻切れになること も分かりました。つまり送受信の操作よりも音声が送受信共に(送信がより顕著なのだが…)遅延するのです。 私の場合、実際に話し終わってからゆっくりと二つ数えてから送信ボタンを解除するようにしています。そうすることで最後までしっかりと送信されているようです。 これはもう慣れるしか無いのかな、と思います。

QSOの実際(2)

それらを学習の上で、新潟県内で毎週金曜日に行われている28MHz/SSBによるロールコールに出てみました。 周波数があらかじめ決まっている交信はたやすいですね。RRS-101は周波数を変えていくと、この操作は反応が良いのですが、 音声がやはり1.5秒程度遅れてくるので「あ、聞こえた!」と思ってもその時周波数は違うところになっている、 慌てて戻ってみる…といったことを繰り返しながら周波数を合わせます。これに慣れるのにけっこう苦労します。 さて、ロールコールに出てみると、とってもらえたようで、十日町市から遠方の胎内市の局には波が届いていないようでしたが、 比較的近い新潟市西蒲区移動の局からはお声がけ頂けました。こちらは新潟市中央区にいたのですが図6の様にパソコン単体で操作ができていました。

なお、送信しっぱなしを無くすために、本体であるFTDX5000にもまたこのRRS-101にもTime Out Timerは設定しており共に3分としてあります。 自分自身、マイクを持って5分とか話しをすることが無いので、これくらいがちょうど良いと思っています。

QSOの実際(3)

私はこれまでの運用はCWがメインであったため、主にそちらのモードで利用しています。CWの場合は図5の画面の中程の「TEXT」と書いてある部分の左側に キーボード入力して、最後に「ENTER」を押すか、「SEND」を押すことで送信されます。ここには最大で24文字を入力できるので、文章を入れて行きます。 一度送信した次に送信するときは最初にスペースを入れないと前段で送信した語の最後に何のスペースも無く送信されてしまいますので注意が必要です。 また、この時誤って空欄のまま上記の送信操作をすると、以後の操作を受け付けてもらえなくなります。注意が必要です。

RRS-101ではメモリーがないため、FTDX5000では普通にできていたメモリーキーヤーでのCQingも、RRS-101によるリモートではできないので、毎回、電文を打ち込んでいます。 これはちょっと煩雑なのですが、次回バージョンアップで対応してもらえるかも知れませんのでお願いしたいところです。

またちょっとした注意点なのですが…

といったことがあります。これについてはそういう仕様なので、慣れていくということになるのでしょうか。 CWのキーボードによる送信は、エレキーなどでの送信と異なるため慣れが必要です。 文章を一生懸命考え打ち込んでいますので、送信しているときの符号を自分で確認することは余りありません。

使ってみての感想

やはり便利だな、と思うのは操作する側はMacやWINDOWSなど機種への依存無し(Flash playerは動く必要があるものの)に ネットに繋がっているパソコンさえあれば操作できることです。 どこへ移動しても、例えば出張で県外やあるいは国外の地域に行っても、パソコンがあり、ネットが繋がってさえいれば自宅の無線機を操作できてしまうのです。 HPにログインできれば、ネットカフェなどのパソコンでもOKということになります。 操作する側に特別なアプリケーションや、特殊な装置を必要としないということがそれを可能にしているのだと思います。 また送信機側(自宅)の方でも動いているのは、ルーター、RRS-101のみですので二つで30W程度の消費電力というのも嬉しいところです。 パソコンが駆動し続けるよりも精神的に気楽です。

それから3日か4日程度経過すると外部からの操作を受け付けなくなってしまうことが何回かありました。 こうなると外にいる以上対応のしようがなくなり、ちょっと困ったのですが、これについては毎回、使い終えるときに図4,5の右下に見えますが「Server reboot」を 押してから終えるようにすることで発生しなくなりました。

今後、このシリーズに期待したいところとしては、前述したようにメモリーキーヤーの搭載でしょうか。メモリーキーヤーとして送信できるととても便利です。 CWの送信も途中で止められるといいですね。 それからリグ本体にはゼネカバがありますので、ゼネカバができると国際放送なんかも聴けるのでいいと思います。

最後に

私の場合、十日町市の自宅以外にも新潟市中央区にマンションはありますが、結局ここにも余りいず、十日町市にも半分くらい、 その他様々な所に出張で行きますので、この様なシステムはたいへん便利です。 山形県のJR酒田駅に強風のため長時間停車していた特急「いなほ」の中からdocomoのWiFiを通じて自宅リグにアクセスして10MHz/CWで国内の各局とQSOしたり、 あるいは東京・新橋のカプセルホテルからイスラエルの局とQSOした、なんてことも記憶に残っています。 無線でお話しするときに「送信機は新潟県十日町市ですが、今私がいるのは○○県△△市で…」といった話をすると皆さん、必ずいろいろと聞いてくれます。 リモートシャックのことを離すと興味津々で聞いてくれます。そんな会話もまた楽しかったりするのです。 RRS-101を導入後、様々な場面で無線を楽しむことができるようになりました。満足しています。(JROQWW)

ユーザーのご意志を尊重し、原文のまま掲載させて頂きました。文中のFTDX5000接続方法に関しましては、これ以外にSCU-17のUSBオーディオI/Fを利用する方法もございます。 また、メモリ・キーヤーはCWメモリ機能としてRRS-501に搭載致しました。

今後とも貴重なご意見を賜りますよう、お願い申し上げます。